ネット社会の光と影
私が大学生の頃はインターネットが一般に普及し始めたばかりで、学内でもインターネットを使いこなしている方でしたが、そこから20年近く月日がたち、もはやどちらかといえばアナログ派?というくらい、すっかり情報関連に疎くなってしまいました。
世の中が便利になりすぎたからか、検索1つでなんでもわかる社会が、逆に、情報が溢れすぎて何が正しいのかを見極めにくくしているように思えてならず、地に足をつけた生活を望むようになってきた感じがします。
道具は、人が使うための道具であって、人が道具に使われてしまっては本末転倒。
テレワーク、在宅ワーク、スマホとパソコンさえあればどこでも働ける時代は、子育て世代だけでなく、障がいや介護なども含めて、労働市場をユニバーサルに広げる希望の持てる時代でもあるので、影を知ったうえで光の部分を有効に活用していけるようにしていきたいものです。
女性の働き方
大学卒業後15年にわたり児童福祉や小児医療の現場で保育士・社会福祉士として働いてきた私が、キャリアコンサルタントの勉強をしようと思ったきっかけは、自分自身が8回の転職を経験し、ようやく腰を据えて働こうと思えた職場で育休雇止めになってしまったことでした。「女性活躍推進法」「育児介護休業法」。ワークライフバランスや育児と仕事の両立がクローズアップされ、法律的な整備も進んできているけれど、現場に浸透するにはなかなかハードルは高いもの。
私が非正規雇用者初の育児休業取得に向けて労働局を交えて職場と交渉して、復帰に備えて認可保育所への入所も決まっていたのに雇止めになってしまった1年前、当事者である私以上に同僚たちの方が憤り、声をかけてくれました。たぶん、そこでまた労働局を通せば何とか復帰できたかもしれないけれど、当時の私は0歳7か月で入園させることへの不安、無理やり押し通して復帰した職場でしっかりパフォーマンスを上げられるかなどの不安の方が勝り、1か月弱に4件の怒涛の就活ラッシュをこなして転職という道を選び、夫の転機も重なって、結果的には移住するきっかけになりました。
1年たってみて、あの時職場に残る決断をしていたらどうだっただろうか、とふと思い出した昨夜、虫の知らせのように元同僚からの連絡が入ったり。全ては繋がっているんだなあと思う今日この頃であります。
衝撃のニュース
東京都渋谷区で児童養護施設の施設長が、元入所児童だった青年に刺殺されたニュースが、福岡にも飛び込んできました。
もう10年以上前の話ですが、私が大学卒業後初めての社会人生活を送った職場が児童養護施設で、事件となった施設にも就職面接を受けに行ったことがあり、事件の報道に思わず震えました。「施設に恨みがあった。職員ならだれでも良かった」と話しているという青年の背景は何も知らないけれど、私自身、児童養護の現場で働いていた頃、親元で育てられない事情のある子どもたちと真剣に向き合う仕事に誇りとやりがいを感じていた一方で、複雑な家庭とのやり取り、子ども同士、子どもと職員の関係性、常々「いつ自分が明日のニュースに出てもおかしくない」と感じていたのも事実です。
相次ぐ児童虐待のニュース。児相の対応ばかりが取り沙汰されますが、一時保護したその先の子どもたちの行く末を、幼くして親元を離れて育っていく子どもたちが18歳で社会に放り出されて生きていく現実を、一体どれだけの人が知っているのでしょうか。
青年の凶行は決して許されることではありません。しかし、このような事件を作りだしているのは紛れもなく私たちが生きている社会であることを改めて突きつけられて、自分の足元からできることを考えているところです。